連日の猛暑も落ち着き ようやく秋の気配を感じるようになってきました。 今回の第194回尾張屋ワイン会は、ドイツとブルゴーニュの個性を皆様と感じる事ができ、嬉しく思っております。 では、今回のラインナップです・・・・・・
アペリティフはコート・デ・ブラン地区のヴェルテュ村でナチュラルに造られるシャンパーニュ『ブリュット・トラディション・1er』。ラルマンディエ・ベルニエです。 爽やかな香りと コクのある香りが複雑に香り、口当たり柔らかく それでいてミネラルも感じる味わいです。リザーブワインを 1/3使用しているからだと思われますが 熟成からくる蜜や マッシュルームの味わいも出ており 素晴らしい味わいでした。 グラスを洗っているスタッフが 「洗うのが勿体無い程の 蜂蜜の香りがした。」と申してました。 次からは 今回のテーマでもあるドイツと ブルゴーニュです。 まずは ドイツの最南端にある バーデン地区のシャルドネ。造り手は この地区を代表する『フーバー』。既に 香り、味わいが満開で 凝縮感のある洋ナシ、林檎とアロマティックなトロピカルフルーツの香りを感じ、程よくヴァニラが香ります。 味わいもボリューム感があり、果実味豊かな そして 香水のような華やかさを持つ シャルドネ。大変魅力ある味わいでした。 次はブルゴーニュ地方 シャサーニュ・モンラッシェ村のシャルドネ。造り手は 『シャトー・ド・ラ・マルトロワ』で、シャサーニュ・モンラッシェ村でも歴史あるドメーヌです。畑は 彼らが単独所有する『クロ・ド・ラ・マルトロワ』。柑橘系の香りが中心に ミネラルや 少しシナモンのようなスパイスが香ります。上品な果実味と綺麗な酸が バランスよく 時間が過ぎると共により香り、味わいが開き、複雑味が増して来ました。 ドイツのシャルドネは 果実感が豊かで、フローラルの香りが広がり、それに 対して、ブルゴーニュのシャルドネは 上品さとミネラル感が個性的でバランスの良さを感じました。 皆様からも 凄く 面白く、お互い個性があり 魅力あるとお声を頂き、嬉しかったです。 次は、ピノ・ノワール。 まずは ドイツ、ファルツ地区を代表する『フリードリッヒ・ベッカー』のカマーベルク畑。 素晴らしく 華やかで 赤系ベリーの香り満開です。その中に 土壌からの深みがある香り、スパイスなどのエレガントな香りが広がります。 旨味の凝縮された深遠な味わいでした。 2本目のドイツ、ピノ・ノワールは『フーバー』です。 こちらは 少し熟成感のある香りも感じ、しおれた薔薇などのフローラルさ、ベリー系の果実香、皮のニュアンスなど とても複雑な香りが広がります。 この『シュロスベルグ』という畑は斜面75度とすさまじい立地にある畑で、皆様もびっくりなさっておられました。 味わいは 力強さと しなやかさが融合された絶妙なバランスです。2アイテムとも 生産地域の個性がでており、ドイツワインの奥深さを知り、とても興味を持ちました、素晴らしいワインです。 続きまして、ピノ・ノワールの聖地とも言える ブルゴーニュです。 2005年に他界したドニ・モルテが最後に造った2004年。ジュヴレ・シャンベルタン・レ・サンワ・テロワールを・・・・5つのジュヴレ・シャンベルタン村にある畑をブレンドし、造られたワインは香りから深みを感じ、果実、ミネラル(土)、スパイスと全てにおいて深遠な香りがゆっくりと広がります。 とても上品で 優しく 味わいは力強さが加わり、改めて ドニ・モンテの残したものの大きさを思い知りました。 最後は グラン・クリュ畑『クロ・ド・ヴージョ』 香りから圧巻です。複雑で華やかな果実香とスパイス、土の香りなど スケールの違いを感じます。全てがこの香りに 支配されているような すさまじい香りに 皆様もうっとりされたのではないでしょうか? 私はこのスケール感に声も出せない程感動し、もっとこの香りを感じていたいと思いました。 味わいも全てのバランスが絶妙で優しく、力強く、しなやかで 口の中にいつまでも その味わいが残ります。本当に素晴らしかったです。 そして 今回の番外は お客様のリクエストに応じ、『マルサネ・ロゼ』 シャルロパン・パリゾです。チャーミングで 優しい香り、味わいが 心を和らげ 染み渡ります。ロゼワインも 赤白に比べると飲む頻度が少ないのですが 気分も変り本当に良いですね。 今回皆様と ドイツ、ブルゴーニュを味わい 私は お互いの個性を一言で言うと「妖艶」なドイツ、「気品」のブルゴーニュと 感じました。 皆様 どうでしょうか? そんなワインに出会い、皆様とおしゃべりをし、とても 楽しく過ごせました。 本当にありがとうございました。また 皆様にも喜んで頂き、嬉しく思っております。 次回もご満足頂ける 楽しい夜でありますよう 企画致します!
小泉真人
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