既に冬の気配を感じる寒くなった夜に、しっかりとした温かみのあるコート・デュ・ローヌ地方を特集したワイン会を開きました。 まずは アペリティフのシャンパーニュ。ドラピエ社からの 蔵出しヴィンテージ・シャンパーニュ。 「カルト・ドール'95」。熟した洋ナシ、カリン等ふくよかな果実味が広がり、ナッツや トースト等熟成からの複雑な香りが後を追いかけます。泡もきめ細かく溶け込み、口当たりまろやかえ、バランスの良い味わいが続きました。 そして 今回のテーマ、コート・デュ・ローヌ地方のワインに移ります・・・ まずはマチルド・イヴ・ガングロフが造る「コンドリュー'06」。ガングロフはコート・ロティの真実のスーパースターと言われています。 が、コンドリューも1級品です。 官能的な香りで マンゴー、ピーチ、アプリコット等トロピカルな果実があり、とても ゴージャスで快楽的なワインです。ミネラル、優しい酸と共に 上品で繊細。力強さのアル果実味と それらの風味がとてつもなく続く 余韻と最高峰のコンドリューの味わいでした。 そして 赤ワインに移り コート・ロティの出番です。ガングロフは、コート・ロティに 2.4ヘクタール所有し、「バルバリン」という若樹のキュヴェ「ラ・スレーヌ・ノワール」という 古樹のキュヴェを造っています。今回は この2つのキュヴェを2004年、2005年とたて続けに楽しむことが出来、幸せです。 では、「バルバリン2004年」から・・・赤系ベリーの香りと スパイスの香りが 優しく広がります。重厚さとは対極にある味わいで、ひとつの決まった調子で奏でる芸術品とも思えるようなデリケートな味わいです。ブルゴーニュ・ピノ・ノワールのような繊細さを持っています。 次に「バルバリン2005年」・・・深いガーネット色をし、香りは複雑で華やか。黒胡椒、八角、クローヴなどのスパイス、黒オリーブや ブラック・チェリーなど目の詰まった香りが広がります。 味わいは柔らかく、繊細で 品のある酸が心地よく広がり、余韻も長く 風味が残ります。 そして 次はトップ・キュヴェである「ラ・スレーヌ・ノワール2004年」を・・・コート・ロティの「モラール」と、「コート・ロジェ」の区画から造られ、スパイシーで力強く 豊満な味わいが特徴です。 とても 複雑な香りで、ブラックチェリーやフレッシュなカシスなどの果実と胡椒、クローヴ等のスパイスが広がり、ミネラルも感じます。味わいも柔らかく、エレガントさと 力強さ、そして上品な風味が 優しく広がり、バランスがとても素晴らしいです。バルバリンよりも 奥深さがあり 深遠なワインでした。 コート・ロティの最後は 「ラ・スレーヌ・ノワール2005年」。完熟したシラーから送られるワインは、うちに秘めた力と凝縮した果実味がとても魅力的。繊細さと上品さに加え、強烈な果実感、深み、複雑性を持ち、純粋で新鮮な全てを備えた味わいです。ポテンシャルの高さと 今でも感動する味わいで至福の時間です。 今ではコート・デュ・ローヌの北部地区のコンドリュー、コート・ロティでしたが 次からは、南部地区に位置するシャトーヌフ・デュ・パプ。歴史あるこの地から、偉大なワインが造られています。 アンリ・ボノーと言う造り手は全てに伝説的人物で この村最高の醸造家です。 彼は納得できない葡萄であれば 全てネゴシアンに売却し、自分の名前のワインは造りません。彼が瓶詰めするワインは全て 最高級品と言っても良い素晴らしい味わいを与えてくれます。 彼は下から キュヴェ・トラディション、キュヴェ・マリー・ブーリエ、レゼルヴ・デ・セレスタン、キュヴェ・スペシャル(殆ど造られません)の4つのキュヴェを造っています。 年によっては造られないキュヴェもあります。 本日は キュヴェ・マリー・ブーリエ2003年と、レゼルヴ・デ・セレスタン2004年です。 では キュヴェ・マリー・ブーリエ2003年を・・・・最初の香りですぐに魅力に獲りつかれます。ハーブやカシス系の香り、ブラック・チェリー、プラムなどの豊かな果実香にスパイス等 華やかで優雅な香りが広がります。時間と共にどんどん変化し、甘味のある香りも加わり、とてもエレガントで深みがあります。そして 殆どトップキュヴェである「レゼルヴ・デ・セレスタン」(キュヴェ・スペシャルは例外として)。 この不死身とも言えるワインは、爆発的な果実味、深遠さと上品さを持つ 酸味、複雑なスパイス、全ての要素を持ち、偉大なポテンシャルのあるワインです。 心が麻酔する程のエキス分があり、言葉で表せない風味を持つ偉大すぎる味わいでした。 そして今日も皆様が素晴らしいワインをご提供下さいました(厚く厚く御礼・・・・) まずは ボルドー・サンジュリアン村の 「Ch・ラグランジュ1989年」。思っていた以上に、若々しく 果実感があり、熟成とバランス良く 落ち着く味わいでした。 カシス等の果実味と きのこがドライフラワーの風味が加わり、複雑味が増していました。とても バランスの良い素晴らしい味わいでした。 そして 次は「バタール・モンラッシェ2005年ピエール・モレ」。熟した林檎や洋ナシ等のコンポートした香りに 蜜やシナモン、ミネラルの香りが爆発です。 余韻が非常に長く、上品で力強さのある風味が続きました。本当にいつも楽しませて頂き、ありがとうございます。 最後に弊店からの 番外・・・ブルゴーニュを1本。「クロ・ド・ヴージョ2001年ペロ・ミノ」を。 熟したチェリーや赤系ベリーに熟成された ふくよかさを備えた香りが広がり、まろやかで バランスの良い風味が漂います。 番外ワインたちも全て 個性的で地域の特徴を楽しむことが出来ました。 丁度 紅葉も色よく 色付いた頃、まさに 食欲の秋。 素敵な時間をありがとうございました。
小泉真人
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